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若いということ

若さが武器だとは知っていた
でも
若さが美しさだとは
気づいていなかった
あの頃の私は
もはや若さを持て余していた
中途半端に若いのは
酷だとさえ思っていたほどだ
若さは美しさだった
若いというだけで
ひとつの魅力なのだ
私はそれに
全く気付いていなかった
ずっと自分に自信が持てなかった
若さは弱さだと思っていた
何も知らない
わかっていない
経験のない
そんな自分だとさげすんでいた
若さを楽しむなんて
そんなこと思いもしなかった
そもそも
何が美しいのかも
よくわかっていなかった
そんなことよりも
当時の私は
愛されることしか
考えていなかった
若くても愛されるために
そんなことを考えて
今をうまく生きられなかった
そう
ただただ愛されたかった
愛され方も愛し方も
まともにわからないままで
だから常に
心は淋しかった
若いというのは
そういうことだと思っていた
でも今
私は若くもなくなり
あの頃よりうんと楽になった
愛し方も愛され方も
少しずつ学んだ
教わってきたのだ
きっとどんな時代でも
若さは武器だし美しさだろう
でも若い時代を乗り越えた大人は
きっと少しやさしい
そう信じている
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毎週水曜日に更新しています。

# by mysunshinerain | 2020-06-24 21:02 | コトノハ~心の声~ | Comments(0)

叶わなかった

私は何も多くは望んでいなかった
君がいてくれるだけでいい
本当にそう思っていた
君が笑ってくれればいい
それだけだったのに
叶わなくなった
私は君を助けられなかった
それは君自身の問題だと
そう言われたけれど
私はほんの少しでも
力になりたがった
それも
叶わなかった
君はいなくなったし
もう返事も返ってこない
今どうしてるのかさえ
わかる手段がない
君は相変わらず
ため息ばかりついて
仕事にも行けていなかったりで
ああ、それってさ
私と付き合ってなかったら
こんなことになってなかった?って
またいつもの癖で
自分責めて君のことまで追いやって
やけになっている
私は何も多くは望んでいなかった
はずだった
君がいてくれるだけで
私は安心という
超人的なものを手にすることができたし
君がいてくれるだけで
私はひとりから解放されたのよ
君がいなくなって
思い知らされている
君という存在の大きさを
君がいてくれるだけで
どれだけ私が満ちていたか
穏やかでいられたか
笑っていられたか
すべて
今だから言えることだった

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毎週水曜日に更新しています。

# by mysunshinerain | 2020-06-17 20:50 | コトノハ~心の声~ | Comments(0)

結末

私が今の君の力になれないように
君も今の私を救えない
お互いが負担になってしまったら
もう一緒にはいられない
こんな結末
誰が予想しただろう
私は今も君を助けたい
でも君はそんなこと望んでいない
いつからすれ違い出したのだろう
いつから
こんなことになったのだろう
すべては
後から言えることだ
結末がわかったから
見えることがある
あの時ああすればよかった
あの時君はこうだったのか
私はそんな
今だからこそわかることを
やたら見せつけられて
無力でいる
自分を責めていた
でもそれは違うとわかっていた
誰かが悪いのではない
すべてはこうなった
受け入れるしかなく
時間が撫でてくれるのかもしれない
悲しみや淋しさを
すべては
後から言えることだ
本当は
君を助けたかった
今もその想いは変わらない
だけれども
もう彼には届かない
長い長い夜だけが
私の前に広がる
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毎週水曜日に更新しています。

# by mysunshinerain | 2020-06-10 20:21 | コトノハ~心の声~ | Comments(0)

君をそばに感じて

夜眠るとき
私はまるで
君が隣で眠っているかのように
感じながら目を閉じる
君の部屋の雰囲気
電気の消された室内
アイマスクをつけて
静かに寝息を立てる君
今でもくっきりと覚えているから
はっきりと思い出せるから
そんなふうに
感じてしまうの
夕暮れ時の駅
カフェのソファー席で
一緒にコーヒーを飲んだね
君はいつも
ミルクをたっぷり入れる
優しいまなざし
チェックのシャツを着た君
今でもこんなに鮮やかに思い出せるから
しっかりと焼き付いているから
そんなふうに
君といた時間を
振り返ってしまうの
今日は少しショックなことがあった
でも大したことではなくて
ああ、こういう時君がいたら
すぐに話せるのに
そう思うの
君がいてくれたら
笑って話にできるのに
君の細くて白い指
背中の形
しっかりとした腕
まっすぐな黒髪
そんなふうに記憶を辿っては
私はそうするしか
できない自分に気づく
そうするしか
できない自分を認めるしかなくなっている
君をそばに感じていたいだけなの
思い出になってしまっていても
そこで泳いでいたいの
そんなふうに過ごすことが
不幸であっても
それは人が決めることじゃない
私が良ければいいのだ
君をそばに感じて
呼吸をしていたいの
毎日を繋ぎたいの
君がいてくれたから
今の私はある
それは確かなことだから
いつか
心からありがとうが言える日まで
もう少しだけ
思い出の中で生きさせて
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毎週水曜日に更新しています。

# by mysunshinerain | 2020-06-03 21:09 | コトノハ~心の声~ | Comments(0)

前進できない

今はまだ
君との思い出に
浸っていたい
そんなのただの逃げかもしれないし
苦しいだけかもしれない
それでも
君への想いを封じ込めたまま
呼吸をすることのほうが
きっとその何倍も苦しい
今はまだ
新しい恋になんて
踏み出せない
踏み出したくないのだ
そんなこと
不幸なだけかもしれない
前進しなきゃって
いう人もいるだろう
それでも
君と歩いた駅
君と出かけた水族館
君の笑顔に包まれていた日々
そこに心を置いていたいのだ
泣いていたって構わない
本当は私に
立ち止まっている余裕などない
新しい出会いは大切だし
ありがたいことだ
わかってはいる
それでも君の代わりはいないの
君という存在は
たったひとつ
私はそのたったひとつを
果てしなく愛している
今はまだ
君との思い出の中で
揺れていたい
何もいらないの
君さえそこにいてくれたなら
それですべてだったの
だからまだ
前なんて向けない
君への気持ちを
感じながら
垂れ流しながらでしか
生きられないのよ
君の代わりはいない
あの手のぬくもり
あの澄んだ空のような笑顔
広い背中に寄り掛かった時のにおい
それですべてだったのに
今はまだ
君との記憶の中で
揺れていたい
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毎週水曜日に更新しています。

# by mysunshinerain | 2020-05-27 21:06 | コトノハ~心の声~ | Comments(0)

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by 藍